他動詞とは?自動詞との違いをわかりやすく解説【英語・日本語の文法完全ガイド】

「他動詞って何?」「自動詞とどう違うの?」——そんな疑問を持ったことがある人は多いはずです。

他動詞は、英語でも日本語でも文法の基礎となる重要な概念です。中学・高校の授業や大学受験でも必ず登場しますし、正確に理解しておかないと英作文や読解で思わぬミスを招くこともあります。

この記事では、他動詞の定義・自動詞との違い・見分け方・よくある間違いまで、経験豊富な教育アドバイザーの視点から丁寧に解説します。英語・日本語それぞれの視点で整理しているので、学校の授業の復習にも大学受験の準備にも役立ててください。


他動詞とは?基本的な定義をわかりやすく確認しよう

まずは「他動詞とは何か」という根本的な定義から整理しましょう。文法用語は難しく聞こえますが、考え方はとてもシンプルです。ここでしっかり土台を作ることが、その後の理解をスムーズにします。

他動詞の定義と基本的な特徴

他動詞とは、動作の対象(目的語)を必要とする動詞のことです。

「誰かが〜する」という動作が、必ず「何かに対して」向けられるイメージを持つと理解しやすくなります。たとえば英語の “eat”(食べる)は、「何を食べる?」という対象が必ず必要ですよね。

他動詞の主な特徴を整理すると、以下のようになります。

  • 目的語が必要:他動詞は単独では文が完成しない
  • 「〜を」「〜に」という対象を伴う:動作が何かに向けられる
  • 受動態にできる:目的語を主語にして受動態を作ることができる

この3つの特徴は、他動詞を見分けるときにとても役立ちます。「受動態にできるかどうか」は特に英語の試験でよく使われる判断基準なので、ぜひ覚えておきましょう。

他動詞が使われる文の基本構造

他動詞が使われる文は、「主語+他動詞+目的語」のSVO構造が基本です。

具体的な例を見てみましょう。

英語の例文主語(S)他動詞(V)目的語(O)
She reads a book.Shereadsa book
He loves music.Helovesmusic
They built a house.Theybuilta house

表を見るとわかるように、他動詞が使われる文では必ず目的語が続いています。目的語がないと「She reads.(彼女は読む)」のように、何を読むのかがわからない不完全な文になってしまいます。

SVOの構造は、中学英語から大学受験まで繰り返し問われる基礎知識です。この形をしっかり頭に入れておくことが、文法問題を解くうえでの大きな武器になります。

英語と日本語、それぞれの他動詞の特徴

英語と日本語では、他動詞の使われ方に少し違いがあります。

英語の他動詞は、語順が重要です。「主語+動詞+目的語」の順番が基本で、目的語を動詞の直後に置かないと文が成立しません。たとえば “I love you.” の “love” は他動詞で、”you” が目的語です。

一方、日本語の他動詞は助詞「を」と結びつくのが大きな特徴です。「本を読む」「音楽を聴く」「ケーキを食べる」のように、「〜を」の形で目的語が表されます。語順は比較的自由ですが、「を」が目的語のサインになります。

英語学習においては、「この動詞は他動詞か?自動詞か?」という意識を常に持つことが大切です。特に前置詞が必要かどうかの判断にも直結するため、他動詞・自動詞の区別は英語力アップに欠かせない知識です。


自動詞と他動詞の違いを徹底比較

他動詞を正しく理解するためには、自動詞との違いをはっきりさせることが何より重要です。「似ているようで違う」この2種類の動詞を混同すると、英作文や日本語の表現で大きなミスにつながります。ここで一気に整理しましょう。

自動詞と他動詞の根本的な違い

一言で言うと、「目的語が必要かどうか」が自動詞と他動詞の最大の違いです。

  • 他動詞:目的語が必要。「〜を…する」という動作。例:eat(〜を食べる)、make(〜を作る)
  • 自動詞:目的語が不要。動作が自分自身の中で完結する。例:run(走る)、sleep(眠る)

自動詞は動作が「自分の中で完結する」イメージです。「走る」「眠る」「泣く」などは、特定の対象がなくても意味が通じますよね。一方で他動詞は、必ず「何かを・誰かを」という対象が伴います。

この違いを意識するだけで、英語の前置詞の使い方や日本語の助詞の使い方がグッとクリアになります。

間違えやすい自動詞・他動詞のペア一覧

日本語では、自動詞と他動詞がペアになっている動詞が多くあります。形が似ているため混同しやすいのですが、意味と使い方をセットで覚えることが攻略の近道です。

意味自動詞(対象なし)他動詞(対象あり)
開くドアが開くドアを開ける
閉まる窓が閉まる窓を閉める
出る水が出る水を出す
落ちる葉っぱが落ちる葉っぱを落とす
起きる子どもが起きる子どもを起こす

この表からわかるように、日本語の自動詞・他動詞ペアは形が似ていても、主語と目的語の関係がまったく異なります。日本語を学ぶ外国人がつまずきやすいポイントでもあり、日本語教育能力検定を目指す人にとっても重要な知識です。

英語で間違えやすい他動詞・自動詞

英語では、日本語話者が「他動詞のはず」と思い込んで間違えやすいケースが多くあります。

代表例として、discuss(議論する)は他動詞なので前置詞は不要です。「discuss about the problem」とするのは誤りで、正しくは「discuss the problem」になります。同様に、”mention”(言及する)、”reach”(〜に着く)なども、前置詞なしで目的語を直接取る他動詞です。

逆に、”listen”(聴く)は自動詞なので「listen to music」のように前置詞が必要です。”talk”(話す)も自動詞で「talk about 〜」「talk to 〜」の形を取ります。

こうした動詞は東大・京大・早稲田・慶應をはじめ多くの大学入試でも出題されます。単語帳で覚えるときは、「他動詞か自動詞か、前置詞は必要か」をセットで確認する習慣をつけましょう。


英語の他動詞をマスターする効果的な学習法

他動詞の概念を理解したら、次はそれを英語の実力につなげる勉強法に落とし込みましょう。ここでは中学・高校の授業から大学受験まで、段階に応じた学習のポイントを紹介します。

他動詞を効果的に覚えるコツ

英語の動詞を覚えるとき、「他動詞なのか自動詞なのか」を必ずセットで確認することが最重要です。単語帳で “buy” を「買う」と覚えるだけでなく、「buy + 目的語(他動詞)」と意識して記憶に定着させましょう。

効果的な覚え方の例を挙げます。

  • 例文ごと覚える:「I bought a new pen.」のように文ごと記憶することで、目的語の位置も自然に身につく
  • 品詞情報付きの辞書を使う:英和辞典では「vt.(他動詞)」「vi.(自動詞)」と表記されているので確認する習慣をつける
  • 受動態に変換して確認する:他動詞は受動態にできる。変換できれば他動詞の証明になる

辞書で確認する習慣は地道に思えますが、入試本番で「この動詞、前置詞いるっけ?」と迷わないための確実な対策になります。学研やベネッセのジーニアス英和辞典など、品詞情報が丁寧に書かれた辞書を活用してください。

高校英語で頻出の他動詞リスト

高校英語・大学受験でよく問われる他動詞を押さえておきましょう。特に前置詞が不要な他動詞は、誤りを誘う選択肢として試験に頻出です。

動詞意味よくある間違い正しい使い方
discuss〜を議論するdiscuss about 〜discuss 〜
reach〜に着くreach to 〜reach 〜
mention〜に言及するmention about 〜mention 〜
approach〜に近づくapproach to 〜approach 〜
resemble〜に似ているresemble to 〜resemble 〜
marry〜と結婚するmarry with 〜marry 〜
enter〜に入るenter into 〜enter 〜

この表にある動詞は、センター試験(現・共通テスト)や私立大学の文法問題で繰り返し出題されてきました。「前置詞が必要そうなのに実は不要」というパターンが多いので、丸ごと覚えてしまうのが一番の近道です。

大学受験で問われる他動詞の発展的な用法

大学受験では、他動詞の基本的な使い方だけでなく、SVOCの構文(第5文型)も重要なポイントです。

他動詞の中には、目的語のほかに「補語(C)」も取るものがあります。たとえば以下のような動詞です。

  • make:Her smile makes me happy.(彼女の笑顔は私を幸せにする)
  • call:They call him Tom.(彼らは彼をトムと呼ぶ)
  • find:I found the book interesting.(その本は面白いとわかった)

これらは「他動詞+目的語+補語」のSVOC構造をとります。東京大学・一橋大学・早稲田大学・慶應義塾大学などの上位校では、この構文の正確な理解が長文読解や英作文で求められます。駿台・河合塾・東進などの予備校テキストでも重点単元として扱われているので、受験対策の中で必ず確認しておきましょう。


日本語文法における他動詞の仕組みと使い方

英語だけでなく、日本語文法でも他動詞は重要な単元です。特に国語の授業や日本語能力試験(JLPT)を目指す人、日本語教育を学ぶ人にとっては欠かせない知識です。ここでは日本語の他動詞を体系的に整理します。

日本語の自動詞・他動詞ペアの仕組み

日本語の他動詞は、自動詞と対になっているケースが多いのが特徴です。たとえば「開く(自動詞)」と「開ける(他動詞)」はペアになっています。

このようなペアを意識して覚えると、自然な日本語表現が身につきます。また、自動詞は主語が変化の「主体」であるのに対し、他動詞は主語が変化を「引き起こす」立場になる点が大きな違いです。

  • 「ドアが開いた」(自動詞:ドア自身が開いた)
  • 「ドアを開けた」(他動詞:誰かがドアを開けた)

この違いは、責任の所在を明確にする表現にも使われます。「財布が落ちた」(自動詞・偶然)と「財布を落とした」(他動詞・自分が落とした)では、ニュアンスがまったく異なりますよね。こうした使い分けは、日本語能力試験N3〜N2レベルで問われることも多いポイントです。

助詞「を」と他動詞の深い関係

日本語の他動詞を見分けるうえで、助詞「を」は最大のヒントになります。

他動詞は原則として「〜を…する」という形を取り、「を」が目的語のマーカーになります。たとえば:

  • 「本を読む」→ 読む(他動詞)
  • 「音楽を聴く」→ 聴く(他動詞)
  • 「宿題を終える」→ 終える(他動詞)

ただし、「学校を出る」「公園を歩く」のように「を」が移動の経路を表す場合もあるため、すべての「を」が他動詞の目的語になるわけではありません。文脈を見ながら判断することが大切です。この例外パターンは、中学・高校の国語テストでも問われることがあるので注意してください。

日本語を学ぶ外国人が間違えやすいポイント

日本語を学ぶ外国人にとって、自動詞・他動詞の区別は非常に難しい単元のひとつです。英語には対になる動詞のペアがあまりないため、日本語の感覚をそのまま当てはめてしまい混乱するケースが多く見られます。

たとえば英語の “open” は他動詞・自動詞の両方に使えますが、日本語では「開ける(他動詞)」と「開く(自動詞)」を使い分けなければなりません。この違いを理解させるには、

  • 「誰かが意図的にやった」→ 他動詞(例:先生がドアを開けた)
  • 「自然に・自分でなった」→ 自動詞(例:ドアが開いた)

という整理が役立ちます。東京外国語大学や大阪大学の日本語教育学科、日本語教師養成の専門学校などでもこの区別は基礎として必ず扱われるテーマです。


他動詞の学習に役立つ教材・参考書の選び方

他動詞を正確に理解するためには、良質な教材を選ぶことも大切です。ここでは中学生から大学受験生まで、レベル別に使いやすい参考書や問題集を紹介します。教材選びに迷っているときの参考にしてください。

中学・高校生向けのおすすめ参考書

文法の基礎固めをしたい中学・高校生には、以下の参考書が役立ちます。

  • 「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく」(Gakken):自動詞・他動詞の違いをビジュアルで丁寧に解説。英語が苦手な人にも取り組みやすい
  • 「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」(東進ブックス):高校英語の文法入門として定番。他動詞と文型の関係を体系的に学べる
  • 「フォレスト(Forest)」(桐原書店):高校英語の総合参考書として長く使われてきた定番書。他動詞・自動詞の説明が詳しい

特に「大岩〜」シリーズは東進ハイスクール発の教材で、高校1年生から受験生まで幅広く使われています。文法の全体像をつかむ最初の一冊としておすすめです。

大学受験対策に使える問題集

大学受験で他動詞の知識を試験に直結させたいなら、文法問題集で繰り返し演習することが不可欠です。

  • 「Next Stage(ネクステ)」(桐原書店):文法・語法・熟語を網羅した受験定番問題集。他動詞の誤用問題が多数収録
  • 「Vintage(ヴィンテージ)」(いいずな書店):ネクステと並ぶ定番書。語法問題のセクションで他動詞・自動詞の区別を徹底演習できる
  • 「英文法・語法 良問500+」(駿台文庫):難関大向けの問題集。実際の入試問題から厳選された他動詞の語法問題を解ける

ネクステやヴィンテージは高校の授業でも使われることが多く、学校の定期テスト対策と受験対策を同時にこなせます。1冊を繰り返し解く習慣が文法力の定着につながります。

塾・予備校での他動詞学習の活用方法

塾や予備校を活用するときは、授業で習った他動詞の知識を「すぐアウトプット」することが定着のコツです。

たとえば河合塾・駿台・東進・代々木ゼミナールなどの大手予備校では、英文法の授業で他動詞・自動詞の語法が独立した単元として扱われます。授業後に例文ノートを作ったり、テキストの語法問題を繰り返し解き直すことで知識が確実に身につきます。

また、中学生であれば公文(くもん)や学研教室でも文法の基礎として扱っています。学校の授業と並行して取り組むと、理解が深まりやすくなります。

個別指導の塾を使っている場合は、「他動詞と自動詞の違いがわからない」と講師に直接質問してみてください。苦手なポイントをピンポイントで解説してもらえるため、短時間で理解が進むことが多いです。


他動詞に関するよくある疑問Q&A

他動詞を学ぶ中で、多くの人が共通して感じる疑問があります。ここでは実際によく質問される内容を、Q&A形式でわかりやすく解説します。

Q1. 他動詞と受動態の関係は?

他動詞があるからこそ、受動態を作ることができます。これは他動詞の重要な性質のひとつです。

受動態とは「〜される」という形で、他動詞の目的語を主語に持ってくることで作られます。

  • 能動態:She wrote the letter.(彼女はその手紙を書いた)
  • 受動態:The letter was written by her.(その手紙は彼女によって書かれた)

自動詞には目的語がないため、受動態にすることができません。「The dog ran.(犬が走った)」を受動態にすることはできませんよね。「受動態にできるかどうか」は他動詞を見分ける確実な方法のひとつとして覚えておきましょう。これは共通テストや記述式の問題でも役立つ知識です。

Q2. 他動詞と不定詞・動名詞の組み合わせは?

他動詞の中には、不定詞(to不定詞)を目的語に取るものと、動名詞(〜ing)を目的語に取るもの、さらにどちらも取れるものがあります。

種類動詞の例例文
to不定詞のみwant, hope, decide, planI want to go. / She decided to study.
動名詞のみenjoy, finish, avoid, mindHe enjoys reading. / She finished cleaning.
どちらもOK(意味が変わる)remember, forget, stop, tryI remember meeting him. / I remembered to call.

特に「意味が変わる動詞」は試験に最頻出です。”remember to do”(〜することを覚えている)と “remember doing”(〜したことを覚えている)のように、形が変わると意味も変わります。センター試験から共通テストまで長年出題されてきたポイントなので、例文ごとしっかり覚えましょう。

Q3. 他動詞が2つの目的語を取るケースは?

他動詞の中には、「間接目的語(人)」と「直接目的語(物)」の2つの目的語を取れる動詞があります。これをSVOO(第4文型)と呼びます。

  • give:She gave me a present.(彼女は私にプレゼントをくれた)
  • teach:He teaches us English.(彼は私たちに英語を教える)
  • show:Please show me the way.(道を教えてください)

この形は「誰に・何を」という構造で、日常英語でも頻繁に使われます。また、SVOOをSVOに書き換える問題(例:give me a book → give a book to me)も入試でよく出るので、前置詞 “to” または “for” のどちらを使うかも合わせて確認しておきましょう。


他動詞をマスターして英語・日本語の文法力を高めよう

この記事では、他動詞の定義から自動詞との違い、英語・日本語それぞれの使い方、受験に役立つ学習法まで幅広く解説してきました。

改めて要点を整理すると、以下のようになります。

  • 他動詞は「目的語が必要な動詞」。「〜を…する」という形が基本
  • 自動詞との最大の違いは「目的語の有無」。受動態にできるかどうかで確認できる
  • 英語では前置詞が不要な他動詞に要注意(discuss、reach、marry など)
  • 日本語では「開く・開ける」のようなペアで覚えるのが効果的
  • 不定詞・動名詞を取る他動詞の使い分けは入試頻出

他動詞の理解は、英語でも日本語でも文法の根幹をなす知識です。一度しっかり身につけると、長文読解・英作文・会話など、あらゆる場面で応用できます。

参考書や問題集を使いながら、例文を通じて少しずつ知識を積み上げていきましょう。焦らず着実に取り組んでいけば、必ず実力につながります。