関係代名詞とは何か?基本の考え方を押さえよう
英語の学習を進めていくと、必ずぶつかる壁のひとつが関係代名詞です。中学・高校の教科書に登場するだけでなく、大学受験や英検・TOEICでも頻出の重要文法項目。「なんとなくわかるけど、使いこなせない…」という人も多いのではないでしょうか。
この記事では、関係代名詞の基本的な考え方から、試験で差がつく応用ポイントまでをわかりやすく解説していきます。まずは「そもそも関係代名詞って何?」というところから、丁寧に確認していきましょう。
関係代名詞の定義と役割
関係代名詞とは、2つの文をつなぎながら、名詞(先行詞)を後ろから説明する働きをする代名詞のことです。
たとえば、
- I have a friend.(私には友人がいる)
- He lives in Tokyo.(彼は東京に住んでいる)
この2文を関係代名詞でつなぐと、「I have a friend who lives in Tokyo.(私には東京に住んでいる友人がいる)」という1文になります。
このように、関係代名詞には「代名詞」と「接続詞」の2つの役割があります。前の名詞(先行詞)を受けながら、うしろに説明文(関係詞節)を続けることができるのです。この2役をこなせることが、関係代名詞の最大の特徴です。
先行詞と関係代名詞の関係
先行詞とは、関係代名詞の直前に置かれる名詞のことです。関係代名詞はこの先行詞を修飾する(説明する)役割を持っています。
先行詞が「人」か「物・動物」かによって、使う関係代名詞が変わります。
| 先行詞の種類 | 使う関係代名詞 | 例文 |
|---|---|---|
| 人 | who / whom / whose / that | the girl who sings well |
| 物・動物 | which / whose / that | the book which I bought |
| 人・物両方 | that | the child that I met |
表を見てわかるように、that はほぼすべての先行詞に使える便利な関係代名詞です。ただし、非制限用法(カンマを使う使い方)では that は使えません。この点は後ほど詳しく説明します。
関係代名詞と関係副詞の違い
関係代名詞と混同されやすいのが関係副詞(where・when・why・how)です。
違いのポイントは、後ろに続く文の構造にあります。
- 関係代名詞:後ろの文が「不完全」(主語や目的語が欠けている)
- 関係副詞:後ろの文が「完全」(主語・動詞・目的語がそろっている)
たとえば「This is the city where I was born.」の場合、「I was born(私は生まれた)」はそれだけで完全な文です。このとき where は関係副詞です。一方、「This is the city which I visited.」では「I visited(私は訪れた)→何を?」と目的語が欠けているため、which が関係代名詞として機能しています。この「後ろの文が完全か不完全か」を見分けることが、関係代名詞マスターへの第一歩です。
関係代名詞の種類と使い分け
関係代名詞には複数の種類があり、先行詞の性質と文中での役割(格)によって使い分けます。who・which・that・whose の4つが代表的で、それぞれに得意なフィールドがあります。ここではひとつずつ、例文とともにしっかり確認しましょう。
who・whom(人を修飾する場合)
who は先行詞が「人」のときに使う関係代名詞で、文中で主語の役割を果たします(主格)。
例:She is the teacher who taught me English.(彼女は私に英語を教えてくれた先生です)
一方、whom は目的格の関係代名詞で、先行詞が「人」で、かつ関係詞節の中で目的語の役割をするときに使います。
例:He is the man whom I respect.(彼は私が尊敬する人です)
現代の英語では、特に話し言葉や非公式な文章では whom の代わりに who や that が使われることも多くなっています。ただし、大学受験や英検の筆記では whom を正確に使えることが評価されますので、しっかりと区別して覚えておきましょう。前置詞の後ろには必ず whom が来る(例:the man to whom I spoke)というルールも要チェックです。
which(物・動物を修飾する場合)
which は先行詞が「物・動物」のときに使う関係代名詞です。主格・目的格の両方に使えます。
例(主格):This is the car which runs fast.(これは速く走る車です)
例(目的格):I read the book which she recommended.(私は彼女が勧めた本を読んだ)
which のポイントは、非制限用法(カンマあり)でも使えること。that はカンマ付きでは使えませんが、which は「, which」の形で文に補足情報を加えることができます。
例:I visited Kyoto, which is famous for its temples.(私は京都を訪れた。そこは寺で有名だ)
このカンマ付き which は、特に英文読解で頻繁に登場します。先行詞が「直前の名詞」ではなく「前の文全体」を指す場合もあるため、読み間違えに注意が必要です。
that(人にも物にも使える万能型)
that は先行詞が人でも物でも使える汎用性の高い関係代名詞です。主格・目的格の両方に対応しています。
ただし、that を使わなければならない場面と、that が使えない場面があります。
that を優先して使うケース:
- 先行詞に最上級・序数(the first, the last など)がついているとき:She is the best student that I know.
- 先行詞が all・every・no などを含むとき:All the money that he had was stolen.
- 先行詞が人と物の両方のとき:I saw the man and his dog that were running.
that が使えないケース:
- 非制限用法(カンマあり):× I visited Kyoto, that is beautiful.
- 前置詞の直後:× the chair on that she sat
これらのルールは受験でもよく問われるポイントです。「that が使えない場面」を正確に押さえておくことが、得点アップにつながります。
whose(所有を表す関係代名詞)
whose は所有格の関係代名詞で、「~の」という意味を持ちます。先行詞が人でも物でも使えます。
例(人):I have a friend whose father is a doctor.(私には父が医者の友人がいる)
例(物):This is a house whose roof is red.(これは屋根が赤い家だ)
whose の後ろには必ず名詞が続く点がポイントです。「whose + 名詞」のかたまりが関係詞節の中で主語や目的語になります。混乱しやすいのが「who’s(who is の短縮形)」との区別。whose は所有格、who’s は短縮形と、スペルとともにしっかり区別しておきましょう。
主格・目的格・所有格の違いをマスターしよう
関係代名詞を正しく使うには、「格(かく)」の概念を理解することが欠かせません。関係代名詞の格は、その関係代名詞が関係詞節の中でどんな役割を担っているかによって決まります。主格・目的格・所有格の3つを整理しておきましょう。
主格の関係代名詞とは
関係詞節の中で主語の役割を果たす関係代名詞を「主格」と呼びます。
確認方法:関係代名詞の直後に動詞が来る → 主格
例:The student who studies hard will succeed.(一生懸命勉強する学生は成功する)
この文では、who の直後に studies という動詞が来ています。つまり who は「its studies」の主語として機能しており、主格の関係代名詞です。主格では who・which・that の3つが使えますが、whomは使えません。この見分け方を覚えておくと、文法問題で迷うことが減ります。
目的格の関係代名詞とは
関係詞節の中で目的語の役割を果たす関係代名詞を「目的格」と呼びます。
確認方法:関係代名詞の直後に「主語+動詞」が来る → 目的格
例:The book which I read was interesting.(私が読んだ本はおもしろかった)
この文では which の後ろに「I read」という「主語+動詞」が来ています。「I read(私が読んだ)→何を?」という目的語が which にあたります。目的格では who(m)・which・that の3つが使えます。また、目的格の関係代名詞は省略できるという重要ルールがあります。The book I read was interesting. のように、関係代名詞をまるごと省略した形は読解でも頻出です。
所有格の関係代名詞とは
関係詞節の中で所有の関係を表す関係代名詞を「所有格」と呼びます。先行詞が人でも物でも、whose の1種類のみを使います。
例:The girl whose hair is long is my sister.(髪の長い女の子は私の妹です)
所有格の特徴は、whose の直後に名詞が続くという点です。「whose + 名詞」のセットで1つの意味のかたまりを作ります。まれに「of which」で言い換えることもありますが(the book of which the cover is red)、日常的には whose を使うのが自然です。所有格は出題頻度がやや低めですが、難関大学の英語入試では必ず押さえておきたいポイントです。
制限用法と非制限用法の違いを理解する
関係代名詞の学習が中級レベルになると、必ず登場するのが「制限用法」と「非制限用法」の区別です。この2つはカンマ(,)の有無が見た目の違いですが、意味や使い方は大きく異なります。英文読解で正確に意味をとるためにも、しっかり理解しておきましょう。
制限用法(限定用法)とは
制限用法は、先行詞の範囲を「絞り込む」ために関係代名詞節を使う用法です。カンマなしで使われます。
例:Students who study hard get good grades.(一生懸命勉強する学生は良い成績を取る)
この文では、「すべての学生」ではなく「一生懸命勉強する学生に限定して」良い成績を取ると述べています。who study hard という関係詞節が「どの学生か」を絞り込んでいるわけです。制限用法は日常的な英文に非常に多く登場し、that・who・which・whose・whom のすべてが使えます。まず制限用法をしっかり身につけることが、関係代名詞習得の基本ステップです。
非制限用法(継続用法)とは
非制限用法は、先行詞についての補足情報を付け加えるときに使う用法です。カンマ(,)を先行詞の直後に置くのが特徴です。
例:I met Tom, who was very kind.(私はトムに会った。彼はとても親切だった)
この文では、「Tom」がすでに特定されている人物として話題に出ており、「, who was very kind」はその補足説明です。「親切なトムに限定する」という絞り込みの意味はなく、単純に情報を追加しています。
非制限用法ではthat は使えません。また、「, which」が直前の文全体を指すパターンも頻出です。例:He passed the exam, which surprised everyone.(彼は試験に合格した。そのことはみんなを驚かせた)この which は「試験に合格したこと」全体を指しています。
コンマの有無で意味が変わる
制限用法と非制限用法では、カンマの有無ひとつで文の意味が根本から変わることがあります。
比較してみましょう。
- 制限用法:I have two brothers who live in Osaka.(大阪に住んでいる兄弟が2人いる→他にも兄弟がいる可能性あり)
- 非制限用法:I have two brothers, who live in Osaka.(兄弟は2人いて、2人とも大阪に住んでいる)
制限用法では「大阪に住んでいる兄弟だけ」を指しており、他にも兄弟がいる可能性を示唆しています。一方、非制限用法では「2人の兄弟、そしてその2人は大阪に住んでいる」という補足情報です。英文読解でこの微妙な差を読み取れると、文意の理解が格段に上がります。入試の長文問題でも問われるポイントなので、意識して練習しておきましょう。
高校英語・大学受験で狙われる関係代名詞の問題パターン
関係代名詞は、高校英語から大学受験まで幅広い場面で出題される重要文法項目です。特に文法選択問題・整序問題・長文読解において頻出です。ここでは、試験でよく見るパターンと、難関大学で求められるレベル感を確認しましょう。
よく出る文法問題のパターン
文法問題で頻出の関係代名詞パターンをまとめます。
- 格の選択問題:空欄に who / whom / which / whose のどれを入れるか選ぶ問題
- that vs. which の使い分け:非制限用法や前置詞後などで that が使えない場面の判断
- 省略できる関係代名詞の識別:目的格の関係代名詞が省略されている文の読み取り
- 前置詞+関係代名詞:「前置詞 + whom / which」の語順を問う問題
これらのパターンは、教科書傍用問題集(『Next Stage』『Vintage』など)に豊富に収録されています。パターンを体で覚えるまで繰り返し解くことが、文法問題を得点源にする近道です。問題集1冊を完璧にすることを目標にしてみてください。
共通テストでの出題傾向
大学入学共通テストでは、関係代名詞は単独の文法問題としてではなく、長文読解の中で正確に意味をとる力として問われます。
特に注意したいのが以下の2点です。
- 非制限用法の「, which」:前の文全体を受けるパターンが長文中に頻出
- 目的格の省略:関係代名詞が省略された文を正しく構造把握できるか
共通テストの英語は読むスピードも問われます。関係詞節がどこからどこまでなのかを瞬時に把握する「文構造の読み取り力」を鍛えることが、高得点への鍵になります。過去問を使って、文構造を意識した読解トレーニングを積みましょう。
難関大学で求められる応用力
早稲田大学・慶應義塾大学・東京大学などの難関大学では、関係代名詞の複雑な構造や細かいルールの例外まで出題されます。
具体的には次のようなレベルです。
- 関係詞節が長く複雑な入れ子構造になっている英文の読解
- 「前置詞+which」「前置詞+whom」を使った正式な書き言葉表現
- that が必須・不可の細かい条件の問題
- 英作文で非制限用法を使って自然な文を書く
難関大学を目指す場合は、参考書の読み込みだけでなく、実際に英文を書いて添削を受ける機会を作ることが重要です。河合塾・駿台・東進などの予備校では、英文法の専門授業や添削指導が充実しているため、積極的に活用することをおすすめします。
関係代名詞の効果的な覚え方・学習法
関係代名詞を「なんとなく理解している」状態から「確実に使いこなせる」状態にするには、正しい学習方法と継続的な練習が必要です。暗記だけに頼るのではなく、英文の構造を把握しながら学ぶことで、読解力・表現力ともに大きく向上します。
例文を使った効果的な暗記法
関係代名詞の学習でもっとも効果的なのは、例文ごとまるごと覚える方法です。ルールを暗記するよりも、「この場面ではこの形」と体で覚えることが長期記憶につながります。
おすすめの練習法は次のとおりです。
- 2文を1文にまとめる練習:バラバラの2つの文を関係代名詞でつなぐ作業を繰り返す
- 関係詞節に[ ]をつける読解練習:英文を読むとき、関係詞節の範囲を視覚化する習慣をつける
- 音読・シャドーイング:関係代名詞を含む文を声に出して読み、英語のリズムで覚える
特に2文→1文の変換練習は、格の理解と実用力を同時に鍛えられるため非常に効果的です。教科書の例文や問題集の例文を活用しながら、毎日少しずつ継続してみてください。
おすすめの参考書・問題集
関係代名詞を学ぶうえでおすすめの教材を紹介します。
| 教材名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| Forest(フォレスト) | 図解・例文豊富で理解しやすい文法参考書 | 中学〜高校1・2年生、基礎固めをしたい人 |
| Next Stage(ネクステージ) | 文法問題が豊富な定番問題集 | 高校生全般、大学受験を控えた人 |
| Vintage(ヴィンテージ) | 解説が詳しく読み込みやすい | 文法をしっかり理解してから演習したい人 |
| 英文法ポラリス | 共通テスト対策に特化した問題演習 | 共通テストで高得点を目指す高3生 |
参考書は1冊を繰り返し使うことが大切です。複数の本を少しずつ読み進めるより、1冊を完全に仕上げることで知識が体系化されます。自分のレベルに合ったものを選び、まずは関係代名詞の章だけでも完璧に仕上げることを目標にしてみてください。
塾や予備校での学習活用法
独学での学習に限界を感じたときや、受験対策として効率よく学びたいときは、塾や予備校の活用も有効な選択肢です。
たとえば、河合塾では体系的な英文法授業と豊富なテキストが用意されており、関係代名詞を含む文法項目を順序立てて学べます。東進ハイスクールのオンライン映像授業では、関係代名詞の講義を繰り返し視聴できるため、理解できるまで何度でも復習できます。また、英検対策専門塾では、英検2級・準1級で頻出の関係代名詞を含む長文読解や英作文に特化した指導を受けることができます。
塾を選ぶ際のポイントは、英文法の解説が丁寧かどうかと添削指導があるかどうかの2点です。英作文での関係代名詞の使い方は、添削なしではなかなか上達しません。積極的に講師に質問し、書いた文を見てもらう機会を作ることが上達の近道です。
まとめ:関係代名詞は「構造理解」が攻略の鍵
この記事では、関係代名詞の基本から試験対策まで幅広く解説しました。最後に要点を振り返っておきましょう。
- 関係代名詞は2文をつなぎ、先行詞を後ろから修飾する役割を持つ
- who・whom・which・that・whose を、先行詞の種類と格(主格・目的格・所有格)で使い分ける
- 制限用法(カンマなし)は「絞り込み」、非制限用法(カンマあり)は「補足」の役割
- that は最上級・序数・人と物の先行詞で優先して使うが、非制限用法・前置詞の後では使えない
- 目的格の関係代名詞は省略可能であることを読解で意識する
関係代名詞は、英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)すべてに直結する文法事項です。一度しっかりと理解してしまえば、英語全体の力が底上げされます。焦らず、例文を繰り返し練習しながら、確実に習得していきましょう。
